こんにちは!1年以上放置してしまいました。
継続って難しいですね。
スタッフに書いてもらったり、ブログ代行業者を利用したりでなんとか更新を続けているクリニックもあると思いますが、ドクター自身が症例をまじえながら、継続して更新しているブログを見ると感心します。
さてひさびさなので真面目にいきましょう。
以前にも投稿した根面露出に対する被覆(Root Coverage)の症例紹介です。
まずは術前の写真から。
他院にて矯正治療を行なった経緯があります。上顎の左右の犬歯に大きな歯肉退縮を認めます。側方からみると犬歯の奥の歯にも退縮と根面の抉(えぐ)れを認めます。歯並びはとても綺麗ですね。矯正は悪くありません。
歯肉移植の適応になるかどうかは様々条件がありますが、今回は条件をクリアしたため処置を行うことになりました。
※以下出血画像注意になります。
より大きく退縮している左上のオペを紹介します。
切開線
粘膜剥離
歯間乳頭の上皮切除
口蓋(上顎)から採取した移植片の設置
剥離した粘膜できちんと被覆できるかの確認
カバーしたいラインより2mm余計に覆うように位置付けて縫合
移植の方法にはいくつかの選択肢がありますが、今回は退縮量がかなり大きかったためこの方法を選択しました。他の方法でやる先生もいると思います。やり方によって差が出るというよりは、最初の切開と粘膜の剥離、そして最後の縫合、とにかくこれを慎重に正確にやることが、綺麗な治癒にとって一番大事だと感じる今日この頃です。
2週間後
しばらくは赤みがあって、組織も脆弱なので、施術部位は1ヶ月間歯磨き禁止になります。1週間に1度計4回来院してもらい、慎重にプラーク除去などの清掃を行います。
移植後の経過を評価できるのは術後6ヶ月経過してからになります。
術前 術後 右3ヶ月 左6ヶ月
術前 術後6ヶ月
いい感じではないでしょうか。右側は左側とは違ったやり方を採用しました。退縮量が左側ほど大きくなかったため、より侵襲の少ない方法を選びました。↑の写真でも術後経過日数には倍の差がありますが、治癒の進行具合はほぼ変わらないくらいなのがわかるかと思います。
根面被覆は単なる審美性の改善だけでなく、知覚過敏、う蝕、歯周病の予防になり、機能的にも非常に有意義な治療になります。矯正治療を終えた比較的若年の方にも多く見られるもので、「矯正したからしょうがない」とそのままにするよりは、将来の歯の健康のために受けて損はない治療だと思います。
費用:1部位 ¥143,000〜(歯の本数により差額が生じます)
さて!さぼりにさぼった僕の広背筋は、、、
意外と15回。マッスルメモリーーー!(?)
木村
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